お問い合わせ

#しつけと教育

友だちが少ない幼稚園生の娘

幼稚園に入って2年目の娘ですが、友だちが少なくて心配しています。決まって遊ぶのは1人だけで、その子が休むとぽつんとしているそうです。家へ帰っても、少し行ったところにある公園ではお友だちが楽しそうに遊んでいるのに、私が無理やり連れだそうとしなければ、自分からは行こうとしません。いい意味で社交的な子に育てたいと思っているのですが。


子どもの中には、だれとでもよく遊び、お友だちがたくさんいる子がいるものです。でも、そういう子もよく見ていると、別に「社会性」がある(いい意味で社交的な)子ではなく、何かその子の人柄の魅力みたいなものに惹かれて、皆が寄ってきている場合もあります。この場合の「魅力」を分析するのは難しいのですが、明るい、やさしい、面白い、こだわらない、とか、種々の遊びを知っているとか、種々な要素があるようです。大人だってそうですよね。

ですから幼稚園児の場合、沢山のお友だちに囲まれている子を、必ずしも社会「社会性」があって、いい発達を遂げているとは見ないでください。この年齢で必要なことは、数は少なくても何人か、うまく遊べる子がいればいいのではないでしょうか。たった1人でも、たまにしか一緒に過ごせなくても、なんとなく気があって楽しく遊べる相手がいれば十分でしょう。

そうした狭い友人関係も、小学校3、4年生ともなれば、グループで行動するようになります。また、中学や高校に入れば、また深く狭い人間関係(親友)を作るようになります。また大人になれば、それほど気が合わなくても、なんとなく多くの相手とつきあっていくようになるものです。それが「社会性」の発達のプロセスでしょう。

しばらくは、お使いの帰りに時々公園へ寄って、2人でベンチに座って、大勢の子どもたちが遊んでいる姿を楽しく見ているだけいいのではないでしょうか。

深谷和子(東京学芸大学:名)