お問い合わせ

#しつけと教育

ファミリ―キャンプに使える大型の車を買いました

わが家は小学生2人(小5と小2)の4人家族です。かねてからファミリーキャンプに憧れていて、やっと車を買いました。いま、ネットでキャンプのことを調べていますが、分からないことも多いので、地域選び、日程、準備するもの等の留意点を、専門家から教えていただければと思います。(小学生2人の父親)


キャンプなどで、幼少期から五感を使って自然を味わい楽しむことは、情操の安定や心身の健全な発達に必要で、とても大切だということが、さまざまな調査で分かってきています(最近の研究で、成人にとってもとても効果があることが分かっています)。ぜひ、ご家族でキャンプに出かけて下さい。

○地域選びについて(場所選びも含めて)

なれていないうちは、できるだけ近場で陸域(林間)のキャンプ場を選ぶといいでしょう。休日に出かけることが多くなると思いますが、行き帰りは渋滞にはまる可能性が高く、移動で疲れてしまって、キャンプをすることへのモチベーションによくない影響を与えることもあるからです。お住まいの近隣の「地域名(市町村、都道府県、等)&キャンプ場」などで検索してみると、おススメのキャンプ場を特集した記事などが出てきます。また、最近のキャンプブームで、おススメのキャンプ場というテーマの雑誌なども多くでているので、そちらを参考にするのもいいです。もし気になるキャンプ場があったら、そのキャンプ場のホームページにいって様子をみたり、キャンプ場の名で検索をかけたりすると、時にそこを使ったことがある人のブログなどもあって、細かな使用感をうかがうこともできます。

少しずつ慣れてきたら、河川・湖畔や臨海などの水辺のキャンプ場も、お好みに応じて行ってみることをお勧めします。公益社団法人日本キャンプ協会という組織があります。こちらのHPから、日本全国のキャンプ場を地域ごとや、林間・河川・臨海に応じて検索することも可能です(すべてが網羅されているわけではありません)。

地域選びとは少し違いますが、場所選びについては、自分たちのキャンプ生活をするすぐ横(テントサイト)まで、車が入れるようなキャンプ場もあります。これを一般的にはオートキャンプ場と言いますが、荷物の出し入れなどが容易であったり、電源を取ることができたりして、初心者の方にも気軽にキャンプすることができると思います(もちろん、経験者にとっても快適キャンプができるので、とても人気があります)。

このオートキャンプについては、一般社団法人日本オートキャンプ協会という団体があって、こちらからもキャンプ場の検索が可能です。

移動距離を考えると、日程が短いほど近場がいいですし、より長い日程でするようになれば、少し遠目のキャンプ場であっても、行ってみたい、試してみたいところが出てくれば、そちらまで足を延ばしてみるのもいいと思います。また、キャンプ場だけでなく、場所によっては、その周辺に別に遊んだり観光したりする施設(テーマパーク、温泉、美術館、等)があったりするので、そこに寄ることも一緒に考えて場所や地域選びをするのも楽しいでしょう。

その他お得情報としては、もし近場に「〇〇青少年自然/交流の家」(〇〇には地域名が入ります)という公立(国立・県立・市立、等)の施設があれば、こちらを利用する選択肢もあります。この施設は学校などの団体だけでなく、たいてい一般のご家族が利用することも可能です。ほとんでの施設が、ファミリーキャンプができるサイトをもっています。日中は野外料理や野外活動を楽しんで、夜はテント泊でなく施設の宿舎に泊まるということもできます。施設が提供しているアクティビティもあったりします。とにかく、公的施設なので利用料が破格的に安いのが魅力です(その分、ファミリーで使うには使い勝手が良いとはいえないことも少々ありますが…)。国立の施設については、国立青少年教育振興機構のHPからチェック可能です。もし関心があれば、こちらもご参照ください。

○日程について

まだあまりなれないうちは、1泊2日から始めて、2泊3日くらいにしていくのがいいでしょう。日程が長くなるほど、当然必要なものも多くなってきます。何がどれくらい必要になってくるかは、経験値がものをいいます。ですから、まずは短期間で要領を得て、経験値が上がってきたら、徐々に長い期間にもチャレンジしていくのがいいでしょう。

なお、日帰りキャンプ(デイ・キャンプ)は気軽ですが、限られた時間内で移動してキャンプして移動する(帰る)ことになるので、思った以上に忙しいです。ですから効率的な動きが求められますので、要領よく動くには、それなりの経験が必要となります。どのくらい設備が整ったキャンプ場に行くかにもよりますが、初心者の方がもし日帰りキャンプをするような場合は、ある程度、道具や設備がそろった近場のキャンプ場がいいと思います。

それから、土曜日や連休初日の出発と休日の最終日(日曜日や連休の最後)は、渋滞となる傾向が高いので、これらを避けるような日程取りの工夫をされるといいでしょう。たとえば、お休みが許されて、1泊2日のキャンプであれば、金曜日出発、土曜日に帰ってくるなどといった感じです(平日であれば道路もキャンプ場も空いています)。また、渋滞日にあたっている日でも、それを避けて早めに帰ってくるような計画をすることもできます(早く帰ってきて地元で何かするというように考えることもできます。たとえば、地元の温泉にいくなどです)。

○準備するもの

これは、キャンプスタイル(使用道具はすべて自前、オートキャンプ系、宿泊はテントorロッジ・宿舎、等)、どの程度の長さでするか、何をするか、どう泊まるかなどによりますので、一概に説明するのは難しいところです。一方で、テント泊で道具もほとんど自前でするケースの場合、一般的な持ち物については、巻末にリストを掲載しましたので参考にしてみてください(あくまでもご参考までに)

加えて、上で紹介したキャンプ協会さんやオートキャンプ協会さんのHPには、必要な道具が紹介されたハンドブックが参照できたり、その資料のダウンロードができたりしますので、以下を参考にしてみるとよいでしょう(2019年11月現在)。

《日本キャンプ協会》

トップページ→[ダウンロードセンター]→[4.キャンプのノウハウ]

こちらから、キャンプに関わるいろいろな基礎知識と技術が紹介された「CAMPシート」という資料がダウンロードできます。その中に、持ち物について説明されたシートもあります。

《日本オートキャンプ協会》

トップページ→[キャンプをはじめよう]→[オートキャンプハンドブック]

ダウンロードはできませんが、サイト上で見ることのできる電子ハンドブックを見ることができます。このハンドブックの中で、道具のことも含めた(オート)キャンプをする上での基本的なノウハウなどが紹介されています。

また、準備するもの(道具・装備)とは少し違いますが、自然の中でのさまざまな体験や外遊びを紹介してくれている「Wild Mind Go! GO!」というサイトがあります。子どもの興味・関心に応じて、いろいろなアクティビティが、ジャンルごとに整理されて掲載されています。子どもたけでなく、大人にとっても、興味深い活動が満載です。是非こちらも見ていただき、関心のあるアクティビティを試してみてください。

また、どのようなキャンプをするにしても、必ずご準備いただきたいものがあります。それは安全・健康にかかわるものです。キャンプをするというと、テント、寝袋、テーブル・イス、調理道具、着替えなど活動に必要なものに目が行きがちですが、ちょっとしたケガをした時や、体調を崩した時などの応急処置に必要となる、基本的な救急セットを常備薬に加えて用意しておくと、いざという時に安心です(消毒液、絆創膏、切り傷手当用の塗薬、虫さされ薬、かぜ薬、整腸剤、等)。もちろん、症状が重篤な時は管理人さんに相談すると共に、病院に連れていきましょう。病院はその日にどこが開いていて、内科・外科などに応じてどこが対処してくれるなど地域性があるので、病院に連れていくような場合は、自分だけで判断せずに、まず地元民である管理人さんに聞いてみるのが得策です。

そうした点から、衣服も少し余分にもっていくのと、真夏であっても防寒対策を忘れずにしましょう。林間キャンプ場の多くは高原にあり、標高が1000mの高さになると平地よりも6度ほど低くなります(気温限率といいます)。そのような場所では、真夏であっても朝晩は薄着でいられないほど冷え込みます(屋外ではダウンが必要なくらい寒くになるところもあります)。

そして最後になりますが、キャンプにおいて何よりも忘れてはならないもの、それは

「自然とヒトを楽しむこころ」

どうかお忘れなく!

小森伸一(東京学芸大学准教授・こども支援士)

<付録>