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#しつけと教育

特別支援学級に行ったらと言われて迷っています

うちの子は勉強はできないけれど、学校は楽しく行っています。でも、遅れがあるから、少人数のクラスに変更したほうがいいのではと、最近担任の先生から言われました。それって、特別支援学級のことですよね。親としては、社会に出たらふつうの人と一緒に暮らすのだから、ふつう学級でふつうの子と一緒に生活して、学力はつかなくても、いろいろ体験したほうがいいのではと思います。でも、先生に強くは言えない感じで迷っています。どうしたらいいでしょうか。(小5の母親)


子どもが楽しいと言いながら学校に行ってくれることは、親として何より嬉しいことですね。きっとお子さんは、友だちにも恵まれて楽しい学校生活を送っておられるのでしょう。

ところで、担任としては友だち関係と同じくらい気になるのが、学習面の課題です。5年生の学習内容は、情報量や抽象的な内容が多く、4年生の時に比べるとかなり難易度が上がります。授業中、担任の先生は「本当に学習が十分理解できているのかな?」とお子さんのことをずいぶん心配されているのではないかと思います。子どもたちは、「勉強が分かった」「できた」「丸をもらえた」「今日は葉っぱ付き花丸をもらえた」など勉強が分かったことやできたことを喜び、先生から褒められたことや認められたことで自信をもったり、次の学習への意欲につなげていくことができます。このような達成感をどの子にも味わってほしいと担任は常に感じています。自信や意欲そして得られた達成感は、子どもの将来への生き方に大きく影響していきます。担任の先生は、子どもたちの応援団の一員としていろいろ考えた末にお母さんに「少人数のクラスに変更した方が・・・・」と提案されたのだと思います。また、担任の先生の言葉は、他の先生や学校の校内委員会での意見を踏まえたうえでの方向性であることが多いのです。

お母さんの言われる、将来、「社会に出たらふつうの人と暮らすのだから、ふつうの学級で・・・」というお考えも理解できます。そして、将来、誰かにサポートを受けるかもしれないけれど、我が子が出来るだけ自分でしっかり自立していってくれることは、親としての共通の願いです。

しかし、この時期に自立に向けて、出来るだけ個別に丁寧に学びながら、生活していく中で必要な「読んだり書いたり計算したりする力」をしっかりとつけたり、体験を積んでいくことも大切だと思います。

支援学級に入ったからと言って、クラスの友だちと離れてしまうことは、ありません。今では、多くの時間をクラスで過ごすケースもよく耳にします。今の特別支援学級は、昔の特殊学級(障害児学級)ともずいぶん異なっています。

まずは、担任の先生や特別支援教育コーディネーターに、我が子の学習面でどういうところが弱いのか、どんな力をつけて行ったら良いのか、特別支援学級についてなど相談されたらどうでしょうか?分からないことが解決すると、安心できますし、先のことも見えてくるかもしれません。情報収集のためにも学校に相談されることをお勧めします。

谷口ひろみ(京都府木津川市立木津小学校教諭)