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#しつけと教育

「盗みぐせ」のある男の子

6歳の長男と4歳の娘の母親です。おはずかしい話ですが、最近人のものを盗るようになりました。はじめは妹の折り紙を自分の机の引き出しに入れておく程度でしたが、そのうち私の財布から小銭がなくなるようになりました。財布をその辺に置いておく癖があるのに気がついて、しまうようにしたのですが、先日は、お友だちの家のテーブルの上にあった500円玉をもってきてしまったらしいのです。見慣れないシールや消しゴムをもっていたので、はっとして問い詰めて分かったのです。親子で泣いて、2度としないように約束させたのですが、また盗むのではと不安でなりません。(6歳児の母親)


「盗みぐせ」とはちょっとオーバーですね。子どもは幼い時ほど、世界が自分を中心に展開していると思っている生き物ですから、人のものと自分のもとの区別が出来なくて当然。たいていの大人は、こうした記憶を自分が小さい頃に、1度や2度はお持ちかもしれませんね。

妹さんの机の引きだしの中の折り紙は、「見っけた!」という感覚。お財布をその辺に置いておかれる家もおおらかですが、「お金」というものの価値に気がついて、お金で何でも手に入るとわかったとき、お子さんは「すごいな!」と思われたのでしょう。

その宝物がある日、自分の周りからさっと消えてしまった。「どうしたんだろう」と思っていたら、お友だちの家に遊びに行って、たまたま500円玉を見つけた。「あった!宝物が」だったのではないでしょうか。

見つかるような買い物をされたのも、悪いことだという意識がなかったのでしょう。これをお子さんの中に「盗みぐせ」があるなどと思わないでくださいね。

お子さんは来年小学生。時期を見て、毎月お小遣いをあげるか、「「金銭教育」を始める時期ですね。いつから、どんなきっかけで,いくらぐらいで始めるか。その話はまた別の機会にしましょうか。PTAで、ほかのお母さまと情報交換もされたらいいですね。

深谷和子(東京学芸大学名誉教授・こども支援士)