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#しつけと教育

友人から陰気だと言われた女の子

小1のみちるの母親です。先日、私の友人が遊びに来て、「何となく陰気な感じがするお嬢ちゃんね」と言ったので、気になっています。中学時代からの親友で、何でも思ったことをズバズバ言う人なので、気にするほどのこともないとは思うのですが、やっぱりその言葉が頭から離れません。私は内気な方ですが、陰気ではないつもりです。(小1女子の母親)


お友だちの言葉を気にし過ぎのような気がしました。でも、いい気持ちはなさらないでしょうね。

顔立ちは生まれつきのものですが、誰でも出会った瞬間は、顔立ちや体つきで相手の性格を判断します。目と目の間が狭い人は狭量だとか、からだと声の大きい人は豪快だとか。でも、つきあっていくうちに初めの印象も変わっていくものです。お子さんはもしかしたら、さみし気なお顔立ちかもしれませんが、みちるちゃんのほうも「お母さんの友だちかもしれないけれど、無遠慮にずけずけものを言う、いけ好かないオバサン」と思って、固い表情をされていたのかもしれませんね。

私が学生時代初めてアメリカに行った時、ツーリストの添乗員から「アメリカ人と目が合った時は、誰にでも目でにっこりしてくださいね。アメリカは多民族国家ですから、言葉も習慣もそれぞれ違いますから、そのままの表情でいると、相手は自分に敵意を持っていると思われますから」と言われました。そう言われてみると、アメリカに長年いらしたある女性の教授は、新人の私にも、目が合うとなんとなく目でにっこりして下さったことを思い出しました。

誰でも、嬉しい時や面白い時は笑います。でも笑うことと笑顔とは違います。笑顔は、「あなたと一緒の時は、私も幸せ」という表現ではないでしょうか。親は子どもが幼いうちはいつも笑顔で子どもを見ているけれど、子どもが成長するにつれて叱ることも増えていくので、つい笑顔を忘れているかもしれませんね。

みちるちゃんをいつも笑顔で育てているうちに、みちるちゃんのほうでも、誰にでも目でにっこりする子になっていくかもしれません。そのうちお母さんも、お友だちの無遠慮なコトバを忘れてしまうことでしょう。

深谷 和子(東京学芸大学名誉教授・こども支援士)