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#キッズ&ヤング

ピアノがうまくなりません

ピアノを幼稚園の年長から習っています。早くうまくなりたいのですが、なかなか進みません。お友達はもうソナチネ教本なのに、私はまだまだです。どうしたらうまくなりますか?(小5:まり)


あなたの気持ちはとってもわかります。でも、早く進歩するには、ひたすら練習することしかないのです。いつもどのような方法で練習しているでしょうか?

まず、基本的な練習方法をお話ししましょうね。

@ 片手ずつの練習。間違えるところは自分でも鉛筆で印をつけて、間違えなくなるまで練習します。

A どうしても指がつっかえるところは、取り出してさらに練習します。

B 指使いは、必ず記されている指番号を守ります。

C 間違えないようになったら、ゆっくりのテンポで、両手練習をします。何小節かずつくぎりながら練習していく方法も有効です。

D 最期にピアノの演奏で一番大切な事をお伝えします。楽譜は、右手左手で、どうしても縦の線を合わせるように弾いてしまいますが、その音楽は常に横に流れているのです。右手と左手を合わせながら、横の流れにメロディーを感じて、楽の流れが止まらないようになるまで、練習を積み重ねて下さいね。

案外、知らないで勉強している子どもたちが多いのですが、小さい頃からなじみのある教本、「バイエル、メトードローズ、ツェルニー、ブルクミュラー、トンプソン」等は、事実はみんな、その教本の作曲家の名前なのです。

バイエルとツェルニーは、共にドイル人でベートーヴェンの弟子であり、バイエルは将来、子供たちが、ベートーヴェンを良く弾けるようにと初心者用の教本を作曲し、ツェルニーは、忙しいベートーヴェンに代って、練習曲をものすごい勢いでたくさん作曲して、練習曲の作曲家のようになってしまいました。それを見かねた「おとうと弟子」にあたるリストは、本当のツェルニーの才能を讃えて、「超技巧練習曲」という12曲を作曲し、楽譜のタイトルに添えて、‘ツェルニーに捧げる’と記しました。

そして、メトードローズは、フランスの作曲家、トンプソンはアメリカの作曲家です。

ブルクミュラーは、ドイツ人作曲家。子どもたちのために、子どもの世界を描いた、‘25の練習曲’は、皆さん必ず、バイエル等のあとの練習曲として人気ですね。

こうした教本にまつわる歴史を知って、いかがですか。先人がピアノを学ぶひとたち注いでくれた熱い心が伝わってくる感じがしませんか。

まりちゃん、がんばって練習しようよ!

榎本太麻子(ソプラノ歌手:二期会)