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#キッズ&ヤング

おさがりがいやだ

私のものは、ほとんどが3つ上のお姉ちゃんのおさがりです。服とか学校で使うリコーダーが、たくさんおさがりで回ってきます。私は新しいものが欲しいのに、それを言うとお母さんから、「まだ使えるんだからもったいないでしょ」とおこられます。新しい服を着ている友だちが、すごくうらやましいです。どうすればおさがりが回ってこなくなりますか。(小6:なお)


「新しいピカピカのもの」って本当に気持ちがいいよね。自分のために用意された服や道具だったら、あなたはきっといつまでも大事にするのに…って思うのね。お姉ちゃんのおさがりばかり回されていたら、そんなふうに感じるよね。新しい服を着ている友だちをうらやましいと思う気持ちが、強くなるよね。

「新しいものがほしい」のは、他の友だちと比べたり、お姉ちゃんとは違う「私」を毅く感じているのね。きっとお姉ちゃんが着ていた服より、もっと自分に合う、センスの良い服が着てみたいなぁ、って思うのね。

これは大人になっていく時に、誰でも感じ始める大切な感じなの。他の人とは違う「自分」を意識し始めることで、ここから「自立」という大人への道が続いていくのね。ちょっと難しくなったけど。

でも、「自分」を大切にしたいと思い始めたら、実は他の人が自分とは違っていることにも同時に気がつくことが大事なんだよ。お母さんが「まだ使えるからもったいないでしょ?」と言う理由はなぜなんだろう? 「もったいない」って、どうして大人は言いたがるんだろう?

おさがりが嫌な理由は、「お姉ちゃんとは別の人格(じんかく)を持つ「わたし」にもっと注目して、大事にしてほしいから」って、お母さんに言ったら、お母さんは目を丸くしてびっくりするかな。だけど、あなたが少しずつ大人に近づくためには、自分の気持ちを上手に伝えることと、お母さんとの違いを理解することの2つが、とっても大切なんだよ。

おさがりが絶対に回ってこない方法を考えるのは難しいけれど、お母さんとよく話し合ったら、お友だちをうらやましいと思うことは少なくなって、今よりは気持ちよく過ごせるようになると思うな。

近藤和子(サンメディカル津田沼クリニック)