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#キッズ&ヤング

ミュージカルをやる人になりたい

お母さんと行く大きなスーパーで、キャッツを何回も聞きました。家にビデオがあるよと言われて、ずっとハマっています。しょうらいミュージカルをやる人になりたいです。どうしたらいいですか。ピアノは1年生からならっていて、歌はみんなに、うまい人と言われています。音楽の高校に行けばいいのですか。(中2:るみか)


るみかさん、これからもどうぞたくさんの作品を観て下さい。クラシックの歌とミュージカルの歌の表現が、どんな風に違うのかわかりますか?

 まず重要な違いは、歌曲やオペラは音楽家による音楽表現であり、ミュージカルは音楽を伴う演劇の役者による芝居です。ですから、前者は音楽先行であり、後者のミュージカルは、芝居先行なのです。

 そしてミュージカルは、クラッシックと違い、芝居のセリフからスムーズに流れる地声も使います。

ご質問の音楽高校へ進学するかどうかですが、音楽高校は、クラッシック音楽の勉強になりますので、ミュージカルの歌のレッスンに一足飛びに繋がるのは難しいです。声楽の先生もクラッシックのみ勉強している先生ばかりで、ミュージカルを理解している声楽の先生を見つけるのは難しいと私は思います。それに現在、るみかさんは、もう中学2年生なので、これからの音楽高校受験はかなり難しいと思われます。

プロのミュージカルは本当に狭き門です。そして、芸能界でもあるのです。また日本では、劇団四季(代表作、オペラ座の怪人、キャッツ、ライオンキング等)か東宝ミュージカル(レ・ミゼラブル、ミス・サイゴン、エリザベート等)以外は、あまり有名な作品を持っていません。今、日本で、例えば『レ・ミゼラブル』のオーディションで申し上げると、様々な実力と年齢の方々が、大きな夢を抱いてオーディションに来ます。何と毎回、1万三千人前後の受験者になっています。

そうしたことを予備知識として考えてみてください。有名な音楽大学を出て、もちろん実力もつけて、優秀な音楽大学を卒業している事をアピールするのも一つかもしれませんが、まず、男性は高身長の方が断然受かりやすいです。女性は、とても身長が低いか高いか、痩せているのは当たり前、ダンスができて当たり前、芝居ができてあたり前、

たくさんの当たり前があります。こんな大変な世界でも、るみかさんが、この夢に向かって進みたいのなら、どうぞ、歌(先ずは、クラッシックも勉強する)も、ダンス(クラッシックバレエ、ジャズダンス、余裕があればタップダンス)も、それぞれきちんとした専門の先生に、どうぞ早めにレッスンに通って下さい。難しい世界ではありますが、挫折を恐れずに邁進して下さい。きっと、そこに何かが見つかる事と思います。

榎本太麻子(声楽家・二期会会員、(社)ミュージカルアカデミーボイストレーナー・こども支援士)