お問い合わせ

#キッズ&ヤング

「真面目に生きることの意味」って?

私は今まで真面目に生きてきました。勉強も運動もできるものはがんばる。友だちにも「真面目でいい人」と思われています。でも私はこんな自分が本当に嫌いです。学年が上がってくると係などを、推薦で決めることが多くなったからです。真面目なだけで何でもできると思われて、学級委員、実行委員、縦割り活動の副リーダーなど色々やらされました。私は人前で話したり、みんなを仕切るのが苦手なのに、断ることも苦手なので、どんどん増えていく責任に押しつぶされそうになる毎日です。それなのに友だちは、あんなにふざけて大した責任もなく生きています。何で頑張る人は、ますます頑張らされなければいけないの?頑張って真面目に生きる意味はどこにあるのでしょうか?(中2:かりん)


そうね。これという責任を果たさずに、お気楽にやってる人がうらやましいね。

昔は、学級委員などは「いい子」のしるし。みんなから尊敬の目で見られたし、親もそういう子を誇りに思ってくれたの。でも今はそうじゃなくて、学級委員も、その他の役目も、「いい人」に押し付けられるソンな役目になってしまったのね。

でも、かりんちゃん、あなたもいつかは大人になって、お仕事をするようになるでしょ。その中で、学級委員よりもっともっと難しくて大変な役目を、職場から期待される日が来るかもしれない。その大変さは、学級委員の何倍も何倍もだと思うの。サラリーをもらってるんだから、断ることも出来ないし、会社や職場の人たち全員の運命を背負わされるかもしれない。考えただけで恐ろしいね。  

でもその時に、もし、かりんちゃんの中に、知恵というか、根性というか、力というか、何か「どーんとしたもの」が出来ていたら、その大役を立派に果たせるかもね。

今はソンだと思っても、次々と引き受けておくのよ。そしてその日が来たら、気がつくの。どーんとしたものをもってた自分に。大人はみな、その力を使ってお仕事をしてるんだから、いまの自分を頑張らなくちゃね。

深谷和子(東京学芸大学名誉教授・こども支援士)