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#キッズ&ヤング

酒をすすめる母

私の母は、「お酒は飲めた方がトクだから、飲めるようになりなさい」と、私にお酒をすすめます。本当にお酒は飲めた方がいいんでしょうか。(高2:るな)


わかりきったことですが、 20歳未満の飲酒がダメと法律で決まっているのは、成長期の子どものからだに害があるからですし、またアルコールは、人の正常な判断を狂わせることもあるので、子どもにはむろんNOです。それなのに、お母さんがあなたにお酒をすすめるのは不思議ですが、お酒の相手(話し相手)がほしいからではありませんか。アルコールは一人で飲んでいても、美味しさは半分。同じような飲み仲間がいて、グダグダしゃべりながら飲むのに醍醐味(だいごみ)があるように思います。

お母さんとであっても、るなちゃんが今の年齢で、お酒の相手をしてはいけないのはむろんですが、そうした無茶を言われるお母さんには、どこかに不満や辛(つらい)いことがあって、さみしいのかもしれません。お母さんには、何でも話せる友だちはいないのかな。でも、大抵の大人は何かの時に大事なことを相談できる相手はいても、話してもしょうがないことをグダグダ話せる(グチる)相手はいないので、ぐっと心の中に飲み込んでいるんだと思います。るなちゃんにも、グダグダ以外にもっと話したいことがあるのかもしれない。お酒の相手は当分できなくても、時々お母さんの話し相手になってあげたらどうですか。

でも、お母さんが「強い方がトクだ」と言われるもう一つの理由は、男性だと、へべれけに酔っぱらっても、せいぜいお財布を盗られるぐらいですむけれど、女性の酔っぱらいは見苦しいからね。

でも、お酒に強いか弱いかは、基本的にはその人の体質(生まれつき)によるものだし、お酒に弱い体質の人が、訓練して(機会ある度に沢山飲んで)お酒に強くなることも多少はできるみたいだけど、そこまでしてお酒に強くなる必要はないと思うけど。

どうすればいいかは、あなたが大人になってから決めればいいことだと思います。 

深谷和子(東京学芸大学名誉教授・こども支援士)