お父さんから、将来金にならないスポーツはやるなどいわれました

友だちに誘われて、区内の少年少女バトミントンクラブに入りました。本気でやろうと思って、ラケットを買ってほしいと言いましたら、「将来金にならないスポーツはやるな、野球かサッカーにしろ」とお父さんから言われました。（中2：ひとし）

夢中になれそうなスポーツに出会えてよかったですね。バトミントンはとても面白いスポーツです。せっかくだからマイ・ラケットを用意して、思いっきり取り組みたいよね。お父さんが反対しているのは、もしかするとあなたの本気さを確かめているのかもしれないね。

でも、クラブチームでもラケットを貸してもらえるでしょう。しばらくはそれを使って頑張って（がんばって）練習して、もっともっとバトミントンが大好きになれば、きっとお父さんの気持ちも変わるかもしれないよ。練習や、もし試合があるようなら、それをお父さんに見に来てもらうといいよ。お父さんもバトミントンが好きになって「よし、じゃあ買ってあげようか」と言ってくれるかもしれないよ。　

また、少し時間がかかってしまうけれど、お小遣いやお年玉をためて、好きなデザインやメーカーのラケットを自分で買うという方法もあるね。

私も子どものころに野球のグローブがほしかったのだけど、なかなか買ってもらえなかったんだ。いとこのお兄さんにもらった、古いグローブを使って、友だちとキャッチボールをしたり壁にボールを投げて一人でとる練習をしたりしていました。3年生の誕生日の朝、目が覚（さ）めると、まくらもとに新品のグルーブが置いてあって、飛び上がって喜んだことを今でもよく覚えています。そのグローブは穴が開くまで使い続けたよ。

お父さんは、「将来お金にならないスポーツはやるな」とおっしゃったそうだけど、プロになるくらい頑張（がんば）れと言われているのかもしれません。でもね、スポーツでお金を稼（かせ）げる人は、どのスポーツでもわずかです。スポーツの本当の意味は、楽しむものであり、あなたの人生を豊かにしてくれるものです。今、好きなスポーツに出会えたことはとても素敵（すてき）なことです。バトミントン以外にも、面白いスポーツはたくさんあります。今はぜひ、楽しくバトミントンを続けてください。そして素敵なマイ・ラケットが、手に入りますように。

鈴木　聡（東京学芸大学 教授 ・こども支援士)