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#キッズ&ヤング

親が部屋に入ってきます

私の親は、私がいない時でも勝手に部屋に入ってきます。時々部屋が片付けられているのはありがたいかもしれないけれど、机の中まで見られているようでいやです。これは親としては当たり前のことなのでしょうか。(中3:えり)


えりちゃんには何歳ごろ、自分の部屋ができたのかな。幼稚園の頃は、家族のみんなといっしょの部屋にいたんじゃない?そのほうがさみしくないものね。小学校か中学生になってから、自分のお部屋ができたと思うの。親は、子どもはある年齢になったら「親とはちがう自分」をもってほしいと思うものなの。それが、子どもに自分の部屋を用意する意味なのね。

でも、はじめのうちは親も心配。子どもがどんなふうに部屋を使っているか、しょっちゅう気にしてたんだと思うの。それに、成長するにつれて悪い友だちとか、悪い大人とかとつき合うことも出てくるから、子どもの様子に気を配るのは、親の責任でもあるの。でも子どもはだんだん、それをイヤだと思うようになる。親に自分を信じてほしいと思うようになる。そうなると、親が自分の留守の時に部屋に入るのは、とっても不愉快ね。自分の、人としての「自立性」を信じてもらえないと思って。いまのえりちゃんがそれなのね。

でも親が部屋に入って、時々片付けておいてくれるのは、えりちゃんに「時々親が入ってますよ!」とサインを送っているようなもの。

だから、「私がいない時に部屋に入ってこないでね」と言ってみたらどうかな。親はえりちゃんが、自分の世界をもとうとしていることに気がつくと思うの。そして「お部屋に入る時は、私のいる時にしてね」と言ってみたら。親もえりちゃんの成長を理解してくれると思うの。

深谷和子(東京学芸大学名誉教授・こども支援士)