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#キッズ&ヤング

学校に着ていく服(ふく)のことで、お母さんとケンカになります。

わたしはいろんな服を組み合わせて、おしゃれをしたり、お出かけするのが大好きです。お休みの日に出かける時は、いつもわたしが服をえらんで着ていきます。でも毎日学校へ行く時、お母さんが「それは動きにくいよ」とか「ちょっと派手(はで)じゃない?」とか文句(もんく)を言ってきて、いつもケンカになってしまいます。わたしは、学校にもわたしがえらんだ服を着ていきたいのに、どうしてお母さんはわかってくれないのかな。(小2:はるな)


いろんな洋服の組み合わせ(コーディネート)を考えるって楽しいけど、はるなちゃんは、そんなに沢山(たくさん)服をもってるの?お母さんは、はるなちゃんがかわいいので、あの服もこの服もいいだろうなと、ついつい服を買ってあげ過ぎるのね。でもそれは、あまりいいお母さんじゃないと思うけど。子どもってどんどん大きくなるから、服はすぐ小さくなっちゃう。だからふつうのお母さんは、ねだんの高い服とか、派手で目立つ服とかは買わないものだと思うけど。

学校は、勉強したり、給食を食べたり、おそうじしたり、友だちと外で遊んだり、お帰りの時間まで、たくさんの事をする場所よね。友だちと外で遊ぶときは、走ったり鉄棒(てつぼう)をしたりで、動き回(まわ)ることがいっぱい。給食の時には、ソースとかが洋服につくこともあるでしょ。学校は、服のことなんか心配しないで、何でも自由にできる場所でなくちゃね。

だから学校に着ていく服は、お母さんのアドバイスを聞いておいたほうがいいんじゃない?文句じゃなくて、アドバイスよ。お家の事情(じじょう)で、あまり服を買ってもらえない子もいるし。それで、制服を決めてる学校もあるの。一人だけ目立つような服は、着ない方がいいんじゃないかな。

大人(おとな)でも洋服をえらぶ時は、見た目がきれいとか、すてきだとかだけでなくて、着ていく場所や、そこで何をするのかも考えて決めるのよ。だからお母さんは、はるなちゃんに、アドバイスしてるんじゃないかな。学校という場所では、はるなちゃんも、ほかの子もみんな楽しく過ごしてほしいから。

学校へ行くときの洋服を決める時に迷(まよ)うようなら、毎日ねる前がいいんじゃない?お母さんといっしょに、明日のお天気や温度(おんど)のことも考えて、学校用と遊び用に分けて、着ていく服を決めて、枕元におくとか、ハンガーにかけておくとか。朝はパッとそれを着て、美味(おい)しく朝ご飯を食べて、元気に学校へ行こうよ。

洋服えらびが大好きなはるなちゃんは、大人になったら、ファッションモデルとか、服のデザイナーだとか、洋服屋さんとか、好きな服を自由にえらぶ仕事につけるでしょ。だから2年生の今は、毎朝お母さんとケンカするほど着ていく服にこだわらず、少しは不満(ふまん)でもガマンして、お母さんのアドバイスを聞いたらどうかな。

深谷和子(東京学芸大学名誉教授・こども支援士)