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#キッズ&ヤング

LINEでハブられた?

クラスのグループLINEで、休校中の課題について質問をしたのですが、既読無視が多くてハブられているような気がします。他の子が質問をした時には1分で5人程から返事が来ていたのに、私の場合、質問しても10分で1人しか返事をしてくれませんでした。もちろん既読はたくさんついています。その前にも、グループ LINEでちょっとした話題をふったら、全員既読なのに返事は一人でした。他の人が 雑談を持ちかけたらたくさんの人から返事が来るのに。他の人と差がありすぎるような気がするのですが、私の考えすぎでしょうか?(中1:きのみ)


きのみさん、こんにちは!

LINEの返事がおそいというだけなら「そういう人もいる」と気にしないでいいけれど、他の人と明らかにちがう反応なのは、気にして当たり前。「考えすぎ」なんて言う人がいるかもしれないけれど、私はそんなことはないと思うよ。自分と友だちのことですもの、きのみさんが「おかしいな」と感じたことは、やっぱり「何かおかしい」んだと思うの。

そういうの、嫌だよね。気がつきたくなかったよね。気がついてしまったら、辛いよね。私は、50年も前の小学校時代に仲間外れにされた苦しさをいまも覚えているの。怖くなるんだよね、人が。人に心を許すことが。二度と傷つけられたくないと構えちゃうから、他の人たちが中学や高校で楽々友だちや彼氏をつくっていくのに、やっぱりどこかで壁を作っちゃう。一人でいることを選んでしまう。そんなことがあったよ。

する側にとってはちょっとした「遊び」かもしれないけれど、された側にとってはそうじゃない。たぶん、私はそれをよく知っている。だからね、だから言うよ。「気にするな。あなたのせいじゃない」って、強く言うよ。「絶対に、あなたのせいじゃないから、心、振り回されないで」って。

どういうわけか、私の二人の娘もあなたと同じような目に遭ったことがあってね、その都度、こんなふうに言い続けてきたの。

「意地悪をする人は、あなたを傷つけ苦しめることが目的。くよくよ考えて苦しんでしまったら、そんな奴らの思い通りになってしまうよ。だから意地でも気にするな。時間のムダと切り捨てて」って。

あなたの周りには、あなたが幸せに生きてほしいと思っている人たちたくさんいる。

そういう人たちの思う通りになってあげたほうがよくない?

とはいえ、気になるよね。相手は「気にさせたい」「嫌な思いをさせたい」から、そういう意地悪をするんだから。そこから、どうやって自分の心を守るのか。私は「本」に助けを求めたよ。もともと本好きだったけれど、学校の図書館の本を片っぱしから読んで、ワクワクする時間をたくさん作って、余計なことを考えそうになる時間をうめたの。好きなことがあるって、幸せな時間を増やしてくれるから、あなたが何か「面白そうだな」「やってみたいな」っていうことがあれば、どんどんやってみるといいよ。

娘たちはね、色々な場所を作って心を逃がしていたと思うの。学校は嫌でも、学童や習い事の友だちとは楽しくおしゃべりできるとか、クラスでは居心地が悪くても、部活の仲間とはみなで笑いあえるとか。そうやっていくつもの「場所」を持っていることは、自分の心を守るためにとても大事だなって思うの。

それぞれグループラインを分けておくと、一つくらい「嫌なグループ」があっても気にならなくなっていくし。今はインターネットがあるから、例えば「同じゲームが好きな人たち」や「同じユーチューバーが好きな人たち」「同じアイドルが好きな人たち」「同じテレビ番組が好きな人たち」…と、好きなものが共通する人たちと繋がっていくのも、ありだと思う。

そしてね、「家族」も大事な「場所」の一つ。家族は時々うるさいことも言うかもしれないけれど、あなたが幸せであってほしいと思う「あなたの味方が集まっている場所」だからね、今回みたいなことも相談してみたらいいんじゃないかな。一人でモヤモヤしているより言ってみたほうが、気持ちが切り換えやすいと思うし、ずっとあなたを見ている人たちだから、私よりいい案を出してくれるかもしれないでしょ。心配させるから、自分が傷つけられていることを言わないでいたいっていう気持ちもあるかもしれないけれど、親はね、子どもが傷ついているのに自分が知らなかったということの方を、ずっとずっと苦しく思うものなのよ。

♪その船を漕いでいけ おまえの手で漕いでいけ 

おまえが消えて喜ぶ者に おまえのオールをまかせるな♪

中島みゆきさんの「宙船(そらふね)」っていう歌に出てくるフレーズが、この手紙を書いている間ずっと頭の中を流れていたの。自分の人生、意地悪な人たちの思い通りになんかさせないでね。あなたが幸せであってほしいと思っている人たちが、世の中にはたくさんいるのよ。

だからね、大丈夫。私も娘たちも、今、幸せに生きてるもの。相談してくれて、ありがとう。読んでくれて、ありがとう。

清 文枝(テレビ朝日アスク、こども支援士)