お問い合わせ

#キッズ&ヤング

どうして女性ばかりなの

テレビでNATOのニュースを見ていたら、スエーデンなどの首相がみんな女性なのでおどろきました。男性はどうしちゃったのですか。(高3:るい)


るいさんが、首相がみんな女性でおどろいたというのは、国際政治(戦争)の舞台に女(だけ)が登場している、政治(戦争)は男のするものなのに、ということだね。それで「男性はどうしちゃったの」と。

一番簡単な答えは、「特別にどうかしちゃった、ということは何もないよ。たまたまその問題を担当する職や地位に女性がいただけ」、ですが、るいさんの疑問で私も少し「驚いた」ので調べてみました。

スエーデン首相はマグダレナ・アンデション、彼女は大学・大学院で学び、専門的な知識を生かして政府部門で働き、その後、国会議員となって財務長官を務め、昨年、スエーデンで初めての女性首相に就任しました。

フィンランド首相のサンナ・マリンは、大学卒業後、地方議会の議員として活動した後、30歳の時、国会議員に当選し、運輸通信大臣を経て2019年34歳の時、フィンランドでは3人目の女性首相に就任しました。34歳はフィンランドでは最も若い首相で、また、現在、フィンランド国会議員の半数近くは女性だそうです。

欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長は、ドイツ地方議会の議員を経て、国政に進出し、家族高齢者婦人青少年相、労働社会相を歴任し、メルケル首相の第3・4次内閣ではドイツ国防相を務め、その後2019年12月から欧州委員会委員長の職に就いています。

また、新型コロナ感染症流行の初期、その対策が評価された5か国(アイスランド、台湾、ドイツ、ニュージーランド、フィンランド、デンマーク)の首長は、みな女性であったことが指摘されています。

政治の最も大事な役割は、自己主張ではなく、他人である多数の人々の「世話」をすることなので、本当は、女性の方が向いているのかもしれませんね。ただ、人はそれぞれに自分の将来に希望や夢を持ち、また適性や得手不得手もあるので、それを単純に性に結びつけてしまうのは、自分についても他人についても、あまりに単純な思考になってしまうので気を付けることも大事だと思います。

るいさん、高校3年生で進路選択の時、誰でも様々な可能性があり、選択の幅も昔に比べれば随分広くなっています。よく見てよく考えて自分の道を選んでください。

市原 潤(保護司、元公立高校校長)