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#キッズ&ヤング

自分を好きになれない

私は自分が嫌いです。顔もブスだし、性格も暗いです。(中1:まあ)


まあちゃん、お手紙ありがとう。「自分の悩みを話せないから手紙に書きます」と書いてくれたお手紙を、ていねいに読ませてもらいました。

まあちゃんは、自分の嫌いなところをいくつも書いていましたね。「鼻が低い。背が低い。顔がぶす。性格は明るくないので、たくさんの友だちもいない。だから自分が嫌いです」って。正直な今の自分の気持ちを書くのは、さぞ勇気が必要だったでしょうね。

それから、まあちゃんのお友だちのことも書いてあったね。あなたの一番の親友は、鼻はまあゃんよりずうっと高い。背も高いし、顔はきれい、みんなから美人って言われているって、書いてあったね。自分で努力しないことが、人の中にこんなふうに決まっているなんて、何で世の中は不公平なんですか?って。ほんとに納得の質問です。

そうね。美人はそれだけで、まわりから関心をもたれて、みんながその人のそばによっていく。私もあなたぐらいの時だったかな。同じように、顔かたち、背かっこうなど、人と比べて自分が嫌になったことがあるよ。

でも、まあちゃんのお手紙を読んで、すごいなあ、うらやましいなあ、と思ったことがあるの。みんなから憧れられている人が、あなたの親友なのね。親友はあなたを友だちにえらび、あなたも親友にえらんだ。そして、そのすてきな親友と毎日いっしょに勉強したり遊んだりしている。試験勉強なんかも、いっしょにしているんだって書いてあったね。あなたの誕生日には、その子が手作りの人形をプレゼントしてくれたのね。私は、うわべではなく、その子があなたを大好きで、あなたを大事な人だと思って付き合っていることが、すばらしいと思ったの。

バラの花は、花の女王と言われて大事に大事に育てられ、バラ園までできて、たくさんの人が「きれい、きれい」と見に来ているね。たんぽぽの花はどう?歩いていると、ここにも、あそこにもたんぽぽが!と思うぐらいに見つかるよね。 「踏まれても踏まれても、なお、たんぽぽの笑顔かな」という言葉があるの。たんぽぽは、みんなに踏まれても一生けん命咲いている。

バラは、バラでしかない魅力で、精一杯咲いているけど、たんぽぽの魅力も、詩や歌にたくさん歌われてるわ。でもバラはたんぽぽに憧れても、たんぽぽにはなれないわ。たんぽぽも同じ。バラはバラとして咲いている。たんぽぽはたんぽぽとして咲いているんだね。

まあちゃんは、まだ自分の魅力を知らないと思うけど、その友だちは、自分にない魅力をあなたの中に見つけているのね。素晴らしいじゃない。これからは、これは私の魅力、私の得意、私の自慢と、まあちゃん自身が心から思えるものを、少しずつ自分の中に育てながら大人になっていってほしいの。きっとそうなっていくから、大丈夫。

川ア 佳子(こども支援士)