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#キッズ&ヤング

一人でいるのが好きなのに

どうして友だちがいないといけないの。担任の先生がお母さんに、「いつも一人でポツンとしています」と言ったので、「友だちをつくりなさい」とうるさく言われます。ほくは、友だちといるより一人の方が好きなのに。(小6:けんじ)


お母さんも先生も、なぜ、けんじさんに『友だちを作りなさい』と言われるのかな。

「友だち」ってどういう人なのか。辞書(じしょ)には「おたがいに心を許し合って、対等に交(まじ)わっている人、いっしょに遊んだりしゃべったりする親しい人」とあります。

おかあさんは、けんじさんが大人になった時に、「心を許し合う人」がいたらいいなぁと思っているんじゃないかな。楽しいこと嬉(うれ)しいことをいっしょに喜んでくれて、けんじさんが、何かつらい目にあった時に支えてくれるような友だちがいてくれたら、大人になったけんじさんが、お母さんから離れて行く日が来ても安心だなぁ・・・って。

そんな先のこと・・・って思うかな。きっとそうだよね。ただ、習い事でもゲームでも、なんでもそうだけど、うまくなるには練習がいるでしょ。だから、小学生の今のうちから、いろんな人と遊んだりお話したりして、「友だち作りの練習」をしておいたらいい・・・って大人は考えちゃうの。

けんじさんは、今は、友だちがいなくても一人でいるのが楽しいのね。もちろん、それでいいんじゃない。ただ、これから先に、いろんな人といっしょに何かをする機会がどんどん出てくると思うよ。学校では、委員会とか係活動とか宿泊学習とか、クラスメートとおしゃべりしたり、何かを相談したり、友だちといっしょの機会がたくさん出てくると思うの。こういう人とはこんな話し方をすれば相手は喜ぶな、とか、こういう言い方をすると相手を怒らせちゃうなとか、少しずつ考えながら、「友だち作りの練習」ができていくんじゃないかな。

けんじさんは、もう「大人の言うことをなんでも聞いている子」ではないのね。いろいろと大事なことや、役に立つことを自分で考え始めている子ね。だから、「自分は一人の方が好き」なんて決めてしまわないで、毎日元気いっぱいで過ごしてほしいの。そうすれば、まわりの大人たちも心配しないで、そのうち気の合う友だちもできるだろうと、君を安心して見ていられると思うの。

清 文枝 (テレビ朝日アスク講師 こども支援士)