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#キッズ&ヤング

授業中、じっと座っていられません

ぼくは、授業中じっと座っていられません。低学年の時は、立って教室を歩きながら、人のものに触(さわ)ったり、音を出したりで、先生に怒られていました。友だちからも、いっぱいばかにされたり、いやがられたりしていました。ぼくはパニックになっていました。

今の先生は、そういう時ぼくに「クールダウンしておいで」と言ってくれます。ぼくは、「〇〇に行きます」と言って、一まわりしてきます。でも、まだ授業中ずっとはじっとしていられません。

先生、この間ぼくは校舎の裏の大きな木のところに行ったんだ。その木の下にいたら、なんだか、ぼくのことをじっと見てくれている気がしたんだ。その木は、「学校がたつ前からそこにあるんだ」って聞いたことがあるの。(小5:大すけ)


大すけくんはいい場所を見つけたね。木は、きっと「ぼくは、君の味方だよ」って言っているんじゃないかな。そして、「ぼくのところにきてくれてありがとう。ぼくは君が大好きだよ」と言っているんだね。

詩人の田村隆一さんに、こんな詩があるのを知ってるかな。長いので一部だけど、読んでくれる?

田村隆一 「木」 からの一部抜粋

見る人がみたら
木はささやいているのだ ゆったりと静かな声で
木は歩いているのだ 空にむかって
木は稲妻のごとく走っているのだ 地の下へ
木はたしかにわめかないが
木は
愛そのものだ それでなかったら小鳥が飛んできて
枝にとまるはずがない
正義そのものだ それでなかったら地下水を根から吸いあげて
空にかえすはずがない

田村隆一『水半球』に掲載されている「木」より、一部引用

川ア 佳子(こども支援士)