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#キッズ&ヤング

ぼくは将棋(しょうぎ)が好きなのに

ぼくは将棋(しょうぎ)が大好きです。藤井さんのファンです。おじいちゃんが教えてくれるんですが、学校の友だちはみなゲームに夢中で、ぼくは仲間(なかま)に入れません。お父さんとお母さんは、「好きなことはつづければいいよ。おじいちゃんに教えてもらえるなんて、いいじゃない」と言いますが、ぼくは仲間外れになりたくありません。どうしたらいいですか。(小4:しんすけ)


しんすけ君は藤井聡太さんのファンなんですね。私も応援しています。今、名人戦に挑戦していますね。もし渡辺名人に四勝すれば史上最年少の記録を塗り替えることになります。楽しみですね。将棋の手ほどきは、おじいさんにしてもらったのですね。小学生のお友達の中でもおじいさんに教えてもらう経験は少なくなっています。これも、お父さん、お母さんの言われるようにありがたいことです。うらやましいです。よい家族に恵まれていますね。おじいさんを大切にしましょう。

それでは本題に入りましょう。学校のお友達はゲームが好きなようですね。ゲームより将棋が好きなあなたは仲間に入れないのですね。その悩み、わかります。しかし、大丈夫です。たぶんお友達の多くは将棋の楽しさを知らないのではないでしょうか。将棋の楽しさを知れば、一緒に遊んでくれると思いますよ。

あなたはきっと将棋の遊び方をたくさん知っているでしょう。みんなで遊べる将棋の遊び方をお友達に教えてあげるとよいでしょう。

その時、すぐに本将棋をすすめるのは避けてください。本将棋は二人で戦います。しかもルールが細かくて初心者(初めての人)には覚えるのが大変です。ハサミ将棋は、ルールは簡単ですが、これも二人だけの勝負ですのでやはり避けてほしいです。

すすめたいのは多くの友達が参加でき、ルールが簡単で、しかも雨の日でも遊べる「将棋崩し」です。将棋盤に将棋を山積みにします。そこから順番に、山になった将棋の駒を人差し指で音が鳴らないように取る遊びです。その時「カタッ」と鳴ったら次の人と交代します。私も子供のころ遊びました。年齢や男女、それから運動能力に関係なくだれでも参加できます。

この将棋崩しはこれだけでは終わらないのです。獲得した駒をお金に換算して遊べるのです。それは「お金将棋」とも呼ばれています。例えば、歩は1円、香車は5円、桂馬は10円、銀は30円、角は50円、飛車は80円、王将は100円に換算します。四枚の金の駒を振り、金額を決めていきます。駒の出方で金額が決まります。一攫千金も夢ではありません。子供が好きな大富豪ゲームにも負けない遊びです。友達もきっと夢中になるでしょう。

「食わず嫌い」という言葉があります。一口も食べずに嫌いと言って食べないことですよね。お友達も将棋の面白さを知らないのです。顔見知りのお友達を誘って、まず将棋崩しから始めてみてください。友達は熱中し、将棋の楽しさを実感し、あなたを見直すでしょう。

明石 要一(千葉大学名誉教授)