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#キッズ&ヤング

困ったときに「助けて」とか「手伝って」と言えません

この間、転んで足を痛くしてしまいました。剣道部では武具が結構重くて足は痛いし、心では、「誰か持つのを手伝ってくれないかな」と思っているのに、「助けてくれ」と言葉が出てきません。勉強でも、分からない時に「分からないから、だれか教えて」と心で叫んでいるのに、言葉が出てきません。でも、友だちは、ぼくに「教えて」とか「助けてくれ」と言ってきます。ぼくは、人に助けてもらったり、人の力を借りたりするのは、弱い人間がすることなんじゃないかとずっと思ってきました。でも、友だちを見ていると、なんかゆうゆうとしていて、弱くも見えません。うらやましいと思うことがよくあります。(中2:だいち)


だいち君は、「助けて」と言うのは、弱い人の言う言葉や、ふるまいだと思ってきたのね。確かに「人に迷惑をかけるな」と強調する風潮もあるね。

友だちは君に助けてもらったら、「ありがとう」といつも言ってくれるんだね。君の友だちはとてもすてきだと思うよ。だって何かしてあげた時、「すみません。すみません。」って言われるより、「ありがとう」って笑顔で言われたら、なんだか心が軽くなるよね。だから、嫌な気持ちがしないんだね。

今、大人の社会では、「誰もが一人では、生きていけないよ。助けたり助けられたりして、心に余裕をもって生きていこうよ」という考えが広まってきているの。雑誌や、メディアでも「家事や育児、そして仕事でも『人に助けてもらうことはいいことだ』」という考えを発信しているの。

「ヘルプ シーキング」とか「援助(えんじょ)希求(ききゅう)」とは、そのことを言っている言葉なんだ。

だいち君、少し勇気を出して「助けて」と言ってみたら。そして「ありがとう」って、笑顔でね。そして、いつか、困っている人を見つけた時に、進んで助けることができたら素敵だね。

川ア 佳子(こども支援士)