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#しつけと教育

祖母と仲よくさせるには

3歳5か月の娘と下に2歳の妹がいます。わが家の家族は夫婦と祖母の5人です。祖母は80歳でほとんど耳が聞こえないし、物分かりの悪い部分もたくさん出てきています。そのため、祖母と話すときは、大声で怒鳴るように、まるでケンカ腰で話さなければなりせん。それなのに、祖母は家のことや子どものことなど、世話を焼きたがり、無理なことを言って、子どもを泣かせてしまったりします。その都度、祖母を叱っていたら、この頃長女は祖母に何か言われると、怒って祖母を叩いたりするようになりました。いくら言って聞かせてもなおりません。どうしたらいいでしょうか。私は親戚がいないので、祖母と別居することもできません。(3歳5か月の子の母親)


一つは補聴器のご使用でしょうか。ある友人は70歳を過ぎた頃、「おじいちゃんはお耳が遠いのだから、大きな声でお話ししてね」と、ご家族がお孫さんに言っておられたようですが、結局補聴器を購入されたとか。

「でも、手ごろな価格の補聴器は単なる音声拡大器(集音器)で、結局は両耳で50数万円のを買いました」とのこと。この価格のレベルだと、専門店で精密な聴力測定をしてくれて、本人の聴力と目的にあった(家族内使用やテレビ視聴、外出時や集団で話す時などに合わせた)調整をしてくれるそうです。補聴器を嫌がる方もいらっしゃるようですが、メガネと同じように気楽に考えて使用されればいいかもしれませんが、でも経済の問題もおありでしょうし。

また別の友人は、「せっかく購入したのに、母は億劫がって机の中に入れたまま。横から話しかけると聞き漏らしが多いので、正面から、口型が見えるようにゆっくりはっきり話すよう心掛けています」とか。「それでも聞こえたふりをすることがあるので、理解したかどうか確かめます。でも、私を育ててくれた親だからこそ、できることかもしれません。お互いに少しずつ我慢して幸せになれればいいのですけれど、難しいですね」と言っていました。

もう一つは、お祖母さまのお気持ちの問題でしょう。男性だと、育児や家事に口を出すこともなく、お孫さんとも「いいお祖父ちゃん」としてうまくやっておられるのかもしれませんが、お祖母ちゃんはその昔、子育てや家事の大ベテラン。つい昔取った杵づかを発揮して、口を出されるのかもしれませんね。今は育児や家事のスタイルも昔と変わってきたのに気がつかれずに。それと、ご家族の中でもう自分が何の役にも立たない余計者ではなく、まだ「十分役に立つ存在」でありたいというお気持ちもおありでしょうし。

そうしたお祖母さまのお気持ちも汲みながら、みなで折り合いをつけながら、いい暮らしのスタイルを見つけられればいいのですけれど。

深谷和子(東京学芸大学名誉教授・こども支援士)