#しつけと教育
父親らしく子どもと遊んでくれません
主人のことでご相談します。子どもが生まれてから3年以上たつのに、いっこうに父親らしく、子どもと遊んでくれません。ふだんの日は疲れているからとも思うのですが、日曜日も朝からテレビをみたり、ふらっとパチンコに行ったりするのです。別に子どもに愛情がないわけではないと思います。お風呂にも一緒に入ってくれますし、買い物にも時々連れていってくれますが、よそのお父さんと比べると、父親らしさがないようなのです。主人は小さいころ父親を亡くして、ずっと母一人、子一人で育ちましたが、その母親も昨年亡くなりました。 (3歳児の母親)
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子育ての始まりは、「自分が育てられたように、わが子を育てる」ことからスタートするのでしょう。
ご主人の人生の中で、「父親」というモデルが存在していたのは、ごくわずかな期間でした。ご主人が過去のご経験から、現在の「お父さん」をされていることは、奥さまも十分に理解されていることでしょう。父親として、子育てに協力してほしいことがたくさんあるのに、日曜日にも自分の見たいテレビを見ていたり、パチンコに出掛けたりされるのは、ご主人の中にまだ「子どもの自分」が残っていて、「子ども時間」を楽しく過ごしておいでなのかもしれませんね。
よそのお父さんは、ご主人よりも父親らしく見えるかもしれませんが、冷静に考えたら、他人はそのご家庭のごく一部しか見ていないことに気付かれることでしょう。隣の芝生は青く見えるもの。それに、お子さんが生まれてまだ3年。日々成長されていくお子さんのほうからも、これから色々な注文が出てきて、それに応えているうちに、ご主人もいつの間にか「十分なお父さん」に成長されるのではないでしょうか。
当分は、ご主人がお子さんと遊んであげた時、「○○はパパと遊んで、すごく楽しそうだったよ。」と言ってあげてください。また、ご主人が子守りをして下さったときには、「パパのおかげで、とても助かったわ。」と伝えてください。ご主人は家庭内での自分の役割の大事さを、次第に自覚されていくことでしょう。人を動かすのは、北風ではなく「太陽」なのですから。
谷本久典(雙葉小学校教諭)