友だちの約束破り

今度学校で遠足があります。なかよしの友だちと、となりにすわる約束をしました。でもほかの子が、「となりにすわって」とその友だちに言ったら、ことわりませんでした。ちゃんと約束したのに、ほかの子とすわるなんて、ヒドイです。（小５：さつき）

なかよしのその友だちとちゃんと約束していたのに、その子がほかの子と座ってしまうことになったのはショックでしたね。遠足の席決めは、さつきちゃんたち高学年の女の子にとって、とても重要なことですものね。

さつきちゃんが、その友だちのことを「なかよしの友だち」と言っているのは、いつもいっしょにいる子なのですね。だから今度の遠足もとなりに座ることを約束したのですね。

でも、なかよしの友だちに「となりにすわって」と言った子も、いつもその子とお話ししたいと思っていたのかもしれないね。でも、さつきちゃんのほうが先に約束してしまっていたのを知らなかったのでしょう。なかよしの友だちも「となりにすわって」とお願いされてしまって。やさしいその友だちは断れなかったのでしょう。友だちは今頃、さつきちゃんと約束していたのに「困ったな」と思っているのではないかしら。

さつきちゃんは「ほかの子とすわるなんて、ヒドイ」と言っているけれど、その友だちのことを、さつきちゃんはきらいになってしまう？それは、もったいないなぁ。
さつきちゃんは断ってほしかったと思うけど、仲良しの友だちは、それが出来なかったのね。友だちが困っている気持ちを、さつきちゃんなら、考えてあげられるのではないかな。

「さつきちゃんは、わたしを責めないで、わたしの困っている気持ちをわかってくれた」と友だちは思って、今までよりもっと仲良くなれるのでは、と思うけど。

吉田佳代（つくば市立東小学校教諭・こども支援士）