#キッズ&ヤング
イヤなことを言ってくる子
毎日私にだけ、いやなことを言ってくる子がいる。がんばって「やめて」って言いたいけれど、言ったらもっといやなことを言われそうな気がして勇気が出ない。(小2:みか)
みかちゃんのいやなことって、どんなことかな。でも、いやなことだから、私にも言いたくないよね。もっといやなことって、どんなことかな。それはもっと口に出したくないよね。
その子は、きっとみかちゃんがびくびくしているのを見て、おもしろがっているんだよ。わるいヤツだ、本当に!でもそのままにしておくと、いつまでも言うのをやめないかもしれない。みかちゃんのことを、何を言われてもがまんしてるだけの、ただの「弱虫」だと思ってるんだ。そんな相手はへコましてましてやらなきゃね。
だから、思い切って、できるだけ大きな声で「やめて!先生に言いつけるよ。校長先生にも」と言ってごらん。人間の「勇気」は、いつもは自分の中にしまってあるけど、イザとなれば、「勇気」の方でも外に出る時をねらってるんだよ。
そうした弱い者いじめをする子は、じつは本当は弱虫なんだ。みかちゃんに力があれば全力で、けとばすか、ひっかくか,かみついてやればいいんだけど、相手の方が強いと、逆にやられちゃうからね。ちょっとカッコ悪いかもしれないけれど、担任の先生や校長先生の名前を出すんだよ。出来るだけ大きな眼をあいて、大声を出して、にらんでやりなさい。
相手は、いままでのみかちゃんと違うのでびっくりするかもしれないけれど、それでも「もっといやなこと」を言うのをやめないかもしれない。でもその時は時間をおかず、すぐに先生に言いつけるのよ。今まで、みかちゃんがどんなにがまんしてきたか、全部話すのよ。子どもの間で解決できないことをやめさせるのが、担任の先生や校長先生の役目なんだから、はずかしがることはないんだよ。がんばれ、みかちゃん!
深谷和子(東京学芸大学名誉教授・こども支援士)