#キッズ&ヤング
じゅぎょう中に発表したいのですが、先生は手をあげた人しか指しません
私は授業中(じゅぎょうちゅう)に、手を上げて発表するのがにがてです。答えがわかっていたり、「こう思うなあ」と思うことがあっても、なかなか手を上げる勇気がありません。先生は手を上げた友だちを何度もさします。手を上げる勇気が大切なのはわかるけど、それができません。やはり手をあげないと発表するのはむりですか。(小4:なな)
ななちゃんは,授業中にしっかり考えているのですね。とても立派だと思います。
ななちゃんが、「手を上げることを苦手だな」と思ったのはいつからでしょうか。前はたくさんあげていたけれど,たとえば,何か間違った答えを言ってしまったというようなきっかけがあったのなら,心がちょっとこわがりになっているのかもしれませんね。
実は先生は、手を上げている生徒よりも,手を上げない生徒の表情を見ています。先生は,こわがっている生徒を、ますますこわがらせないように気にかけているのかもしれません。
本当は,正しい答えばかりを発表してもらっても,勉強は深まらないのです。手を上げて発表して,「失敗したらどうしよう」と思うのは、あたりまえのことですし,先生も、みんなが勇気を出してくれる日を待っているのかもしれません。
もし,ななちゃんが1年生の頃からずっと手を上げる勇気をもてずにいて,「発表したいなぁ」と思いながら毎日をがんばっているのなら,その気持ちを先生に伝えてみてはどうですか? ちょくせつお話しするのに勇気がいるなら,宿題のノートの片すみや連絡帳(れんらくちょう)などに、ちょっとしたお手紙を書いてみるのはどうでしょう。「本当は発表してみたいのですが,手を上げられなくて困(こま)っています」と。
最初に,先生は手を上げない生徒の表情を見ています,と書きましたね。ななちゃんがぜひ答えたいと思うとき,顔を上げてじっと先生の目を見てごらんなさい。先生はきっと、ななちゃんのまなざしに「あれ?今日はいつもと違うな?」と感じてくれると思います。
「先生,私,答えたいです!」という思いをこめて,先生を見てみてくださいね。先生はきっと受け止めてくれると思いますよ。
佐藤有紀(宮城県総合教育センター指導主事)