勉強をがんばれません

ぼくは、ミニバスの少年団に入っています。全国大会で優勝することを目指しているチームです。水曜日は休みですが、そのほかの平日は、夕方５時から夜９時まで練習をしています。土日は練習試合や大会があるので、朝早く出かけます。家で勉強する時間がないから、特に算数が苦手になってしまいました。最近は、聞いていてもよくわからないので、授業中に、つい友達とおしゃべりしてしまいます。眠くてボーッとしてしまうこともあります。ミニバスは好きだから、やめたくありません。このままではダメだから勉強しなきゃならないことはわかっているのだけれど、がんばれません。どうしたらがんばれるようになりますか。（小６：たけし）

一生懸命にバスケットボールをがんばっているたけしさん。素晴らしいですね。たけしさんは、努力をすることができる人ですね。そして、物事を続けることができる人ですね。誰にでもできることではありません。さらに、勉強もがんばろうとしている。本当にすごいな、と思います。

水曜日以外は毎日練習や試合をしていると、なかなか家で勉強する時間が取れないよね。わかります。きっと体も疲れているのでしょう。でも、バスケットボールにそれだけ打ち込めるたけしさんのことですから、きっかけがつかめれば、きっと勉強もがんばれると私は思います。

バスケットボールで大活躍している八村塁選手は、アメリカに行くまでは全く英語が話せなかったそうです。でも、アメリカのリーグでプレーするという夢のために、練習の合間に英語を勉強して、今では普通に会話ができるようになったそうです。たけしさんが苦手な算数を学ぶと、「すじ道たててものを考える力」がつきます。この力は、バスケットボールの戦術を考えたり理解したりしてプレーをすることにも役立ちます。バスケットボールだけでなく、「生きていく上で大切な力」になります。

少しの時間でも、宿題をしたり学校の勉強の復習をしたりする時間を作ってみると、習慣になるかもしれません。学校の授業にも、興味をもって参加するといいです。何かを学んでいくときに、興味をもったり好奇心をもったりすると、いつしか夢中になれるものです。そして、力がついていきます。努力できるたけしさんなら大丈夫！体に気をつけながら、スポーツも勉強もぜひがんばってくださいね。

鈴木　聡（東京学芸大学教授　こども支援士）