#キッズ&ヤング
私は母と2人暮らしです
私は母と2人暮らしです。2ヶ月前に今のところに引っ越してきました。母は前から体が弱かったのですが、特に最近体調が悪くなりました。学校がある日の朝は、がんばって起きて朝ご飯を作ってくれますが、休みの日は起き上がれず、ずっと寝ています。私は料理をするのはまだむずかしいので、コンビニでおかずを買ってきて食べます。洗濯機は回せるようになりました。月に2回ぐらいは、ボランティアの人が来て、家のことを手伝ってくれます。学校では新しい友達ができて楽しいのですが、母のことが心配です。私はどうしたらいいですか。(小5:みなみ)
それは大変!よく相談してくれましたね。
コンビニでおかずを買うのは、正解です。洗濯機を回せるのもすごい。きちんと栄養をとること、少しでも清潔なくらしをすることは大切です。
でも、あなたは子どもだから、完璧に家事ができなくてもいいのです。勉強があるし、友だちといっぱい遊びたいですね。遊ぶのも、子どもにとっては大事な生活のひとつです。
お母さんが病気になったので、責任を感じてがんばっているのですね。それは、とてもすばらしいことです。でも、無理するといけません。勉強する時間がなくなったり、疲れ切ってしまったりします。お金のことも心配ですね。
これは、大人の責任なのです。お母さんが病気で動かないなら、別の大人が手助けしなくてはいけません。ボランティアさんも助かりますが、月2回では少ないですね。
本当は、行政(市役所など)が、あなたの家庭を助けなければいけないのです。そして、そんな行政サービスがいろいろあります。それには、役所の人が、あなたの家の大変さをよく理解して動いてくれる必要があります。
だから、あなたは学校の先生に、困っていることをきちんと伝えてください。それは、はずかしいことではありません。担任の先生でも、保健室の先生、カウンセラーの先生、校長先生でもかまいません。一番言いやすい先生に相談してください。その先生が動いてくださらなかったら、また別の先生に助けを求めてください。
あなたのように、親が病気などで、家事や介護をしている子どものことをヤングケアラーと言います。あなたと同じような苦労している子どもがたくさんいます。国や市町村もこの問題に気づき、少しずつ助けるしくみが作られています。はずかしがらず、遠慮せず、助けてもらいながら子どもらしい生活を取りもどしてください。
上島 博(奈良県葛城市立磐城小学校講師、こども支援士)