友だちのことが心配です

同じサークルの友だちが、近ごろすごくイライラしてるようで、心配してます。昨日も５人で昼食をとっていましたら、いきなり「もうイイ！」って、いなくなっちゃいました。みんなと「なんか悪いこと言ったかな？」って、考えたんですが、思いつきません。こういうときって、どうしたらいいんですか。（大学２年：女性）

その友だちはきっと、何か大きな心配事を抱えているのね。同じサークルの仲間にも分かるようなイライラに、みんな心配して、お昼を一緒にとか、出来るだけ楽しい話題で盛り上げようとしているのでしょう。いい仲間たちですね。

でも、どうしようもなく重い荷物を背負わされる時があったら、だれでもそれに耐えるだけで精一杯。何を見ても、何を食べても、どんないい友だちに囲まれていても、どうしようもないと思います。

その友だちは、本当は一人で泣いていたかったのかもしれない。でも、仲良しの仲間たちの思いやりに応えようと、懸命に、ムリして、いっしょに昼食をとっていたのかもしれません。テレビだって、にぎやかな画面に気持ちがついていけなくて、パチッとチャンネルを変えてしまうことがあるでしょう。友だちの「もうイイ！」は、それだったのではないでしょうか。もう少し人生を長くやってる人だと、自分を抑えて、「ちょっと失礼します！」とか「用件を思い出したので」と席を立つけど、その友だちは「もうイイ！」が精一杯だったのでしょう。分かってあげてくださいね。

「どうしたらいいんですか」というお尋ねですが、むずかしいことだけれど、「ふつう」にしていることでしょう。その友だちのほうから、実はこれこれなのと言い出さない限り、「どうしたの、何かあるの」と聞きだそうとか、「こないだ何か悪いこと言った？」とか、また、過度の気配りも禁物。むずかしいことだけれど、何事もなかったように「ふつう」に一緒にいる。心で、その友だちを思いやりながら、でも、きっとその状況から這い上がる日が来ることを信じながら、これまでのようにつきあっていくことではないでしょうか。そのうちにきっと、その友だちが本当の笑顔を見せてくれる日が来ると思います。

深谷和子（東京学芸大学名誉教授・こども支援士）