苦手な先生がいます

苦手な先生がいます。なんか、いつも押し付けられている感じでリラックスできません。先生の話を、みんなが黙って聞いているときげんがいいです。それに、同じ子をいつも、怒っています。「最後まで人の話をきけ」とか「騒ぐな」と言って怒ります。その子にもいいところがあると思うんだけど。いつも怒られている子は、ぼくが考えないような考えを持っていて、先生にも自分の意見を言います。先生が話している時でも「先生、こうだよね」って言ったりします。自由に意見を言うのはダメですか？黙って聞いているより、いい考えが自分の中から出てくると思います。僕はこの子に憧れています。（小５：ゆうじ）

世の中にはいろんな考え方の人がいます。これから先の君の人生で、苦手だなぁと思う人に出あうこともあるでしょう。その人といっしょに、何かをしていかなければならないこともあると思います。

そんな時、どう自分の気持ちと折り合いをつけながらやっていくか。自分の気持ちも大切にしながら、相手の人が、なぜそのように言ったり行動したりするのか。その人の立場に立って考えてみると、少し、その人に対する見方が変わることもあるかもしれません。

もしかすると、先生には先生の考えがあるのかもしれないけれど、でも、友だちがいつもいつも怒られているところを見るのはつらいよね。先生にはなかなか言えないでしょうし、だからと言って、それを見てがまんしつづけることも、いいことじゃないし。どうしてもいやだなと思う時は、おうちの人に相談してみてはどうかな。おうちの人は、それをうまく先生に伝えてくれるかもしれません。

それとね、ゆうじ君がその子のことを憧れる気持ちは素晴らしいです。その子に「ぼくも同じように思っているよ」と伝えてみてはどうかな。きっと喜ぶと思いますよ。

鈴木　聡（東京学芸大学教授　こども支援士）