#キッズ&ヤング
授業中に立ってふらふら歩いちゃうの
ぼくは、じゅぎょう中に出歩いて先生によく注意されます。勉強がきらいなわけではないの。でも、生きもの係のことで思いついたことがあると、遠くの席の友だちにすぐに話したくなって、行っちゃうんだ。しゃべっていてむちゅうになると大きな声になって、クラスの女の子にも、「しずかにして!なんでここにいるの?」と言われちゃう。先生やクラスの子にめいわくをかけてわるいなとは思うんだけど、直せない。どうすればいいの。(小3:たかお)
「先生やクラスの子にめいわくをかけてわるいな」と思っているところが、たかおくんのいいところ。自分がめいわくをかけていることをちゃんと分かっているのだから。それに、先生やお友だちに対して「わるい」と思えるたかおくんは、とってもやさしい子ね。
遠くの席の友だちのところに授業中に行ってしまうのは、係のことを伝えるためなのね。係活動って、みんなに楽しんでもらったり喜んでもらったりするために、友だちと、「進んで・協力して・工夫して・責任をもって」やること。だから、「これっていいかも!」と思いつくということは、たかおくんが一生懸命(いっしょうけんめい)に考えて、「工夫」している証拠(しょうこ)。考えたことをひとりでやろうとしないで、友だちに伝えていっしょにやろうとしているのだから「協力」もしている。きっと、その友だちとも気が合うのね。たかおくんがやる気まんまんで、「進んで」生き物係の活動をして、みんなを楽しませている様子が目にうかびます。
そんなたかおくんは、先生やクラスの子にめいわくをかけてしまっている今の自分の行動を直したいと思っているのね。立派よ。ちゃんとまわりの人のことも考えられるのですもの。それに、授業中に伝えに行くと、その友だちも勉強が止まってしまうし、たかおくんも先生やみんなの話が聞けなくなってしまう。せっかくのいいアイディアでも、授業中にそういう行動をしては、だれにとってもいいことがなさそうね。
どうすればいいかって、それは、その気持ちをすなおに先生に伝えてみましょう。わたしは小学校の先生をしているけれど、たかおくんのような子から、本当はみんなにわるいと思っているから直したいということを聞いたら、とってもうれしくて、ぜったいにその子を応援(おうえん)したくなるもの。しょっちゅう注意している子が、じつはそんなことを考えていたと知ったら、どうにかしてあげたいと思うわ。もし、直接(ちょくせつ)言うのがはずかしければ、紙に書いて伝える方法もありますよ。先生に話したいことを書く「学校生活アンケート」のような紙がときどき配られる学校なら、そこに書いてみるといいわ。そして、もし、「みんなに相談してみよう」ということになったら、ぜひそうしてみて。みんなにたかおくんの気持ちが伝われば、「ぼくはこう思うよ」とか「がんばり表を作ってみるのはどう?」とか、きっと意見を出してくれるし、協力してくれると思うの。だって、みんなのために係活動をがんばっているたかおくんのおねがいだもの。
すぐには直せないかもしれないけれど、直そうと行動しはじめることが大切。がんばって、たかおくん!!きみならきっといつかできるわ!
吉田 佳代(つくば市立東小学校教諭 こども支援士)