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#キッズ&ヤング

片付けが苦手です

私は片付けが苦手です。

学校では、気がつくと机の上に国語と社会と算数の教科書と自由帳があって、先生に「(もう終わった)算数以外のものはしまいなさい。」と注意されます。それに、本を読むのが好きなので、何冊も本棚から取ってくるのですが、机の中に入らないから床に置いておくと、先生は「1冊にしなさい。」と言って、私の気持ちを分かってくれません。友だちにも「これ、どかして。」と言われるので、ムカッとします。

家では母が、「これは勉強用、これはお絵描きグッズ用……と分けなさい。」と、かごを用意しましたが、どれに入れればいいか分からなくなって、いつの間にかぐちゃぐちゃになってしまいます。

私はぜんぜん困っていないのですが、どうしたら注意されずにすみますか。(小6:つぐみ)


実は私も片付けが苦手なので、つぐみさんにいいアドバイスはできません。でも、自分で試してうまくいった方法があるので、それを書きます。

まず、学校でのことを考えましょう。

いろんな本を取ってきてさあ読もうと思ったときに、先生や友だちから注意されたからイラっとしたのでしょう。また、いつも、いつも先生から片づけなさいと言われるけれど、自分はできないから困っているのですね。

それがつぐみさんの「言い分」です。

では、先生や友だちの「言い分」を想像してみましょう。

先生は、学級みんなのことを考えなければいけません。みんなが本棚から好きなだけ本を取ってきたら、教室がとても散らかります。また、読みたい本が本棚になくなってしまいます。学級みんながなんとか本を読めるように、一人一冊をいうルールになっているのでしょう。

友だちは、床の本が邪魔になっているから、「これどかして」と言ったのですね。その友だちは、つぐみさんがよく床に本を置いていることに対し、腹を立てていたのかも知れません。だから、言い方もきつくなったのでしょう。

さあ、どうすればいいでしょう。

つぐみさんは、最初に「私は片付けが苦手です」と書いていますね。それはとてもすごいことです。自分の苦手なことを分かって、ちゃんと受け容れているからです。苦手だからと言って、「私はだめな子だ」とは、決して考えないようにしてください。鉄ぼうが苦手な子も、計算が苦手な子も、片付けが苦手な子もいるのです。

人はだれも苦手なことと得意なことがあります。苦手なことがあると、だれかに助けてもらったり迷惑をかけてしまったりすることがあります。それはある程度仕方のないことです。人はお世話したりお世話してもらったり、迷惑をかけたりかけられたりして、おたがい力を合わせて生きているのです。

つぐみさんは、自分の苦手が分かっているのだから、友だちに「これどかして」と言われたら、「あ、ごめん」と言って片づければいいのです。腹を立てていた友だちは、すんなりと「ごめん」と言われたので、きょとんとした顔になるでしょう。二人ともハッピーになれます。

次に、家のことを考えましょう。お母さんに分別のかごを用意してもらったけど、うまく分けられないのだね。これは簡単。

かごに、名前をつけて貼りましょう。ただし、お母さんにしてもらうのではなく、つぐみさん自身がしましょう。自分が分かりやすいように、どう分別すればいいのかを考え、素敵な名前をつけましょう。例えば「スクールグッズ」「トイボックス」「ひみつの宝箱」など、かっこいいでしょう。イラストを入れるとさらにいいですね。自分が決めて自分で行動することが、大切なのです。

あなたが散らかした物を、だれかが片づけてくれたかも知れません。あなたが消し忘れた電気を、だれかが消してくれたかも知れません。そのことを想像したら「ありがとう」や「ごめん」という言葉を素直に出すことができるでしょう。

そして、だれかが困っている時は、つぐみさんが助けてあげればいいのです。

上島 博(こども支援士)