親に反論したいのですが

うちの親（とくに父親）は、何かにつけて「最近の若い奴らは短絡的で辛抱が足りない」などと言います。そうした時に、自分はどう考えればいいのか。また、親に有効な反論をするにはどうすればいいのか、いい知恵があったら教えてください。（大１：きらら）

昔よりも社会の変化が大きいので、親世代から「最近の若い奴らは・・・」といったフレーズを聞くことが多いかと思います。「有効な反論」ということですが、親と本気で犬猿の仲になっていいのなら反論をすることができますが、きららさんは、親と仲たがいをしてまで反論したいのでしょうか？

親世代が「最近の奴らは…」と言う場合、その根底には「自分が今の時代に追いついていけていない（その結果として）自分は正当に評価されていない」という不幸感がある時に出てくるフレーズでしょう。自分の現状に満足していれば、このようなフレーズは出てこないものです。

親自身も、うすうすわかっている弱点（時代についていけていないこと）を、きららさんから指摘されたとしても、認めることはないでしょう。人と人がコミュニケーションをとる際、どんなに腹が立ったとしても、「決して言ってはいけない言葉」「言ってしまったら、とりかえせない言葉」というものがあります。現状に不満を感じている親に対して「有効で的確な反論」をすればするだけ、反論の余地がないような親の短所を指摘することになりかねません。そのことは、きららさんが想像する以上に親を傷つけることになるかもしれません。

あなたは大学１年生とのことですので、大学を卒業するまでは、授業料代わりのアルバイトのような気持ちで、「あぁ、そういう考えもあるんだな」と、第三者的な視点で聞き流されてはどうでしょうか。あなたが社会人になれば、同じようなことを言う人にたくさん出会うと思います。その予行練習と割り切ってしまえば、「言われて腹が立つ」というより「上の世代はこういう風に反応するのだ」と楽しく観察することもできるようになるかもしれません。

親に不満があるなら、反論をして親を変えようとするのではなく、自分が独立し、親と距離を置く方が、はるかにたやすいことです。親の小言は聞き流して、自分の将来を考えて努力してみてはどうでしょうか。

深谷　野亜（松蔭大学教授・こども支援士）